仮面ライダー ゲルショッカー編 第84話 「危うしライダー! イソギンジャガーの地獄罠」

 今回は原作者である石ノ森章太郎先生自ら脚本・監督をした作品です。

初回放送1972.11.4
TOKYO MX 2021.6.18 放送 

第84話 「危うしライダー! イソギンジャガーの地獄罠」

平和そうな街の空撮とナレーションで始まり。

ふらっふらっな男が海から現れる。

男はブラック将軍の幻影から「仮面ライダーを抹殺しろ」との指令に苦悩し抗うが、悪の意思に飲み込まれイソギンジャガーに変身してしまう。

ナイスなタイミングで釣り人登場。

イソギンジャガー「オレの姿を見たなぁ。」

釣り人「ミナイヨ~。」

などと不毛なやり取りの末、イソギンジャガーは体のイソギンチャクから毒水を釣り人に浴びせる。

釣り人は煙と共に爆死。因みにこの釣り人は石ノ森章太郎先生ご本人。


所変わって、チョコ萩原と友人マキさん。
父親が行方不明になり少年ライダー隊に相談していた。
滝隊長が合流するとゲルショッカー戦闘員も現れた挙げ句、マキさんを拐っていく。

このマキさんがカワイイ。そして見たことあるなぁと思い調べたところ、ウルトラマンレオの百子さんでした。円盤生物に食べられちゃいましたが。


何故か伝書鳩で本部へ連絡するチョコ萩原。

通信文を見た立花氏は、少年ライダー隊に「赤と黄色のラリー車を捜せ」と大量の伝書鳩による業務連絡します。

本郷にも事件概要は伝えられ、オートバイで捜索開始。
取り逃がした滝隊長はヘリで捜索するなど、いつになく大事に発展。

やがて少年ライダー隊員からのラリー車発見の一報があり、本部を経由して本郷が急行して追跡開始。

このままでは離される感じた本郷は、仮面ライダーに変身して追跡。

派手なラリー車の一連の行動は、本郷=仮面ライダーを誘き出す罠だった。
イソギンジャガー曰く派手な車ならば、ちびっこライダー隊も見つけやすいだろって事らしい。

そして、罠とも知らず地雷原に突入したライダー。
地面は割れ、V3に匹敵する爆発の中を疾走する。

地雷原を無事に抜け出した仮面ライダー。
しばしの無音無声の状態からゲルショッカーバイク部が隊列を組み近づく。
取り囲むように周回するバイク部戦闘員により、ロープでぐるぐる巻きにされるライダーだったが、ジャンプで危機回避。
戦闘員達は空中で衝突爆発。

着地した舞台は突然の磯。海から現れたイソギンジャガーとの1stバトルへ。
イソギンジャガーは、瞬間移動「触手隠れ」でライダーを翻弄。
毒水を浴びせるがライダーは回避。
続いて、口のぐちゅぐちゅした触手を伸ばし相手に絡める必殺技「触手締め」でライダーを絞め上げ地面に叩きつける。

ライダーは触手が絡まり自由が効かない状態のままジャンプ、イソギンジャガーの腹にキックを決める。

岩場に打ちつける波。
波打ち際に捨てられた足が外されたキューピー人形。

なんのこっちゃのシーンをはさみ、バトルは一時中断したようです。

未だヘリで捜索中の滝隊長は、乗り捨てられたラリー車を発見してマキさんを救出した。…先程からラリー車って言っているけど黄色に赤の模様が入った普通の車だからね。

変身が解除された倒れていた本郷が起き上がる。
見つめる先には倒れたマキさん?

ヘリも上空に現れ、倒れたマキさん(勿論偽物)に近づく本郷とお父さんを発見。
滝隊長が偽物だと声に出し呼びかけるが声は届かず。

本郷が助けようとしたその時、アップになるマネキンの顔→本郷のアップ→そして爆発!

慌てる滝隊長。

しかし本郷は、間一髪ライダーに変身してヘリに飛びついていた。

今度は海岸のお父さんがイソギンジャガーに変身。

ヘリにぶら下がったライダーは、頭部の変身装置を発見する。
ヘリから落下して、ライダーポイントキックで変身装置を破壊する。…そんな技も。

苦しむイソギンジャガーに駆け寄るマキさんの呼びかけと、ブラック将軍の幻影に攻められる。 

マ「おとーさん!」
ブ「仮面ライダーを殺せ!」

人間の心が勝り、マキさんの呼び掛けにより人間の姿に戻る父。

3人を上空から俯瞰。

ナレーションで〆。「ゲルショッカーの恐ろしさは戦争の恐ろしさと同じだ。目的の為なら平和の家庭さえいとも簡単に犠牲にする。」


以上


個人的感想

石ノ森章太郎先生の監督回がある事は知っていたのですが、これ程他の話とテイストが変わっているとは思いませんでした。

撮影も空撮を多様したり、本郷のバイクの疾走感をバイクに取付けたカメラ(多分)による走行映像で表現したり。

良く言えばメッセージ性の強い回のウルトラセブンを見ているような感じ。
良く言わないのであれば、間延びしたシーンの連続となってしまう感じ。

演者(ライダー含む)の顔アップと状況の切替えで状況を表現したり、一部静止画にするなど、カメラワークに凝りすぎたおかけで癖の強いシーンになってしまい、仮面ライダーとしては珍しい作品となりました。

原作者としてメッセージも強く出してきます。
ゲルショッカーと言う存在を原作者自ら「完全悪のゲルショッカー = 戦争」と表現し、そのゲルショッカー = 戦争は平和な家庭さえ簡単に犠牲にしてしまうという事を伝えたかったのでしょう。

迫るゲルショッカーバイク部を無音無声で映し出して悪者感を出したり、ブラック将軍とイソギンジャガーが直接対面による会話がない事により不気味さが増し、悪に抗う善の部分を強く表現されていると思います。
対面で話しているといつもの悪の組織の上司と部下にしか見えませんから…。

でもね、仮面ライダーも既に第84話も放送していて、子供たちなこのメッセージが伝わるのか?って事もあります。

大丈夫です、大きくなったお友達に今日伝わりました。

今日のイソギンジャガー

字面通りイソギンチャクとジャガーの合成怪人。デザインはカワイイけれどジャガー要素は皆無。と思ったのですが、釣り人を襲った時に磯の岩に噛み砕く程の強い牙だったので、それがジャガー要素だったのかも。

完全に人間との融合が出来た訳では無く、頭部の変身装置が破壊された事と、マキさんが呼びかけた事で人間に戻れました。

前回は首領も絶賛した死刑囚を怪人にしたのに、何故普通のお父さんを怪人にしたのでしょうか?


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